気・精・神は「三宝」
東洋医学では、人が生きていく上で欠かせない3つの要素を「三宝(さんぽう)」と呼びます。
- 気:体を動かすエネルギー、原動力
- 精:生まれ持った、体の土台となる力
- 神:精神・意識、心の働き
この3つは、それぞれ独立したものではなく、精から気が生まれ、気が満ちることで神(心)が安定する、というように、順番に支え合う関係にあります。「宝」と呼ばれるのは、どれも一度失うと取り戻すのが難しい、命の根本に関わるものだからです。
精(せい)とは
生まれ持った、体の土台となる力です。
体の「資本金」のようなもので、成長・発育・生殖に深く関わっています。
精には2種類あります。
- 先天の精:両親から受け継いだ、生まれつきの精。体質や体格の土台になります
- 後天の精:生まれた後、食事や呼吸を通じて補われていく精
生まれ持った精(先天の精)は、日々の生活によって多少補うことはできても、基本的には年齢とともに徐々に減っていくものとされています。子どもの頃の成長、思春期の変化、加齢による体力や回復力の低下、白髪や物忘れといった老化のサインは、すべてこの精の増減と結びつけて説明されます。
精が不足すると(精虚)
精が不足した状態を「精虚(せいきょ)」と呼びます。
- 成長や発育の遅れ(子どもの場合)
- 老化のサインが早く出る(白髪、物忘れ、足腰の衰えなど)
- 生殖に関わる不調
- 骨や髄(脳を含む)の弱り
気虚や血虚が「日々の不調」として出やすいのに対し、精虚はもっと根本的な、体の土台に関わる不調として現れる、という違いがあります。
まとめると
精=体の土台となる力。気・精・神の三宝の中で、気と神を生み出す根本にあるもの
これまで見てきた気・血・津液・精は、それぞれ役割が違いながらも、すべて「精」という土台の上に成り立っている、と言えます。
だからこそ、精を無駄に消耗しすぎない生活(過労を避ける、休息をとるなど)が、東洋医学では大切にされています。
【この記事を書いた人】ひびき治療室 院長
国家資格を持つ鍼灸マッサージ師として30年、さいたま市南区根岸で施術をしています
治療室WEBサイト内「先生の脳活・推活」は思うままに投稿しています
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